株価収益率(PER)の基本的な考え方
株を買うときに、銘柄の判断材料としてよく利用される指標に、株価収益率(PER)というものがあります。英語では、price-to-earnings ratio (P/E ratio)とも呼ばれます。
PERは、株価が1株利益の何倍なのかを表します。すなわち、PER = 株価 ÷ 1株利益 です。なお、計算に使われる1株利益は、予想の数字を使います。
基本的な考え方として、この数値が高いと、1株利益が伸びると期待されて人気がありますが、株価が過熱気味である可能性があるといえます。成長が見込まれますが、すでにPERが高い場合は、割安感は低いですね。
逆に、PERが低いと、1株利益の伸びが期待できないため人気が少なく放置されている可能性もあります。しかしながら、いわゆるバリュー株や掘り出し物の銘柄は、買われる時点ではPERが低いことが多いようです。つまり、PERが低い銘柄の中には、割安な銘柄が見つかる可能性があるということです。
そのため、PERは、会社の収益力からみて、現在の株価が割安なのか割高なのかを判断するために利用されます。
例えば、同じ業種でライバル関係のA社とB社があるとします。A社の1株利益は、100円で、株価が1000円だとします。B社の1株利益は、50円で、株価は400円だとします。この場合、A社の方が1株利益が高いので、A社の株を買う方が有利に感じるかもしれませんが、PERで比較すると、A社は10倍、B社は8倍ですので、B社の方が割安感はあります。
では、PERの数値で、割高・割安の判断の基準はあるのでしょうか。基本的には、業種やその時点での経済情勢や株価水準で変わるので、一律的にコンセンサスを得られるようなPER水準はないようです。
PERは、最も基本的な指標の一つなので、良く理解するようにしましょう。