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株の種類と単元株

株式には、大きく分けて「普通株」と「種類株」があります。

一般的に「株」と言えば、「普通株」を指します。株主に対する制限がない株式です。

「種類株」は、普通株ではない株式という意味合いがあり、その代表的なものに「優先株」があります。

「優先株」とは、普通株に優先して配当や残余財産の分配を受け取る権利が付与された株式です。例えば、会社の業績が悪化し、配当を無くしたり減らしたりしなければならない状況でも、優先株では配当を受け取れる場合があります。その優遇の代わりに、議決権がないという制限がある場合もあります。また、優先株には、普通株に転換する権利が付与されたものもあります。

優先株の他の種類株には、「後配株」があります。この「後配株」は、優先株とは反対に、配当や残余財産の分配における優先順位が普通株よりも低い株式です。昔、日本航空の筆頭株主は大蔵大臣でしたが、この大蔵大臣の持ち株は後配株でした。

無額面株式の採用と「単元株」制度の導入で取引を活発に

昔、日本では額面株式が用いられていました。これは、株券に50円や500円など一株当たりの金額が表示されていたものです。この額面株式が採用されていたため、株によって売買に必要な額が分かりづらくなり、また柔軟な取引が阻害されていました。

こういった状況を受け、2001年10月に施行された改正商法で、額面株式が廃止され、すべての株式が無額面株式となりました。これにより、企業は、発行済み株式数を増やしたり、株式分割が実施しやすくなりました。その結果、株式の流動性が高まるようになりました。

また、2001年10月の改正商法では、「単元株」制度が導入されました。単元株とは、最小の売買単位のことで、現在ではほとんどの株式が100株です。これは、最近の売買単位の集約化に向けての取り組みの成果です。これにより、投資家は、株の価値の判断や他の株との比較が行いやすくなり、売買が簡単になりました。

私が持っていた銘柄も、単元株が1000株だったものがある時期から一斉に100株に単位が変更されたのを覚えています。現在は、単元株が1000株の銘柄もありますが、近いうちに全ての銘柄が100株に統一されると思います。というのも、日本取引所グループ(全国証券取引所)が2018年10月までに全銘柄の100株単位への移行を目指しているからです。ますます便利になりますね。

参考資料:
・日本経済新聞社編、『ベーシック 株式入門』、日本経済新聞社、2006