私設取引システムとは、しばしば「PTS」とも呼ばれるシステムのことで、証券会社が証券取引所を通さずに、株式や債券等を売買できるようにしたシステムのことです。なお、PTSとは、「Proprietary Trading System」の略です。日本では、1998年から、金融ビッグバンの一環として利用できるサービスとなりました。
PTSが解禁されたことにより、証券会社が独自に取引時間を設定できるようになりました。証券取引所が売買を行っていない夜間の取引のことを指すことが多いですね。
アメリカでは、電子証券取引ネットワーク(Electronic Communications Network, ECN)と呼ばれる私設取引システムが古くからあり、かなりの取引量となっているそうです。
PTSを利用する最大の利点は、やはり大引け後に発表されるニュースに対応できる、ということでしょう。例えば、「A株式会社が新技術を開発した」というニュースが夕方に流れれば、即座に夜間の取引でA株式会社の株を買うことができます。また、アメリカの雇用統計の発表等も、日本の証券取引所の取引時間内では発表されません。
従来であれば、夕方や夜間に重大ニュースが発表されれば、翌日の寄り付きでの売買に注文が集中しましたが、PTSが解禁されることにより、売買の分散化がある程度なされるようになりました。また、PTSを通じて利益を出す投資家も多いようです。