医薬品業界とは?新薬開発・治験・承認リスクを投資家向けに解説
医薬品を国内で製造・販売するには、 厚生労働大臣の承認を受けなければなりません。
医薬品業界は、 巨額の研究開発費と長い開発期間が必要となる業界です。
一方で、 新薬の承認に成功すれば、 巨大な利益を生み出す可能性もあります。
そのため、 医薬品業界は、 株式市場でも非常に注目されやすい業界の1つです。
医薬品開発の流れ
医薬品の承認は、 主に以下のような流れで行われます。
新薬開発には、 一般的に10年以上かかるともいわれています。
また、 数百億円から数千億円規模の研究開発費が必要になる場合もあります。
治験とは?
「治験」とは、 人間を対象として、 医薬品の有効性や安全性を確認するための臨床試験のことです。
医薬品は、 効果があるだけでは承認されません。
副作用や安全性についても、 厳しく審査されます。
そのため、 多額の開発費を投じても、 治験に失敗して承認されないケースも少なくありません。
なぜ製薬会社には巨額の資金が必要なのか?
医薬品業界では、 長期間にわたる研究開発と、 治験・審査に巨額の資金が必要となります。
しかも、 開発した薬が必ず承認されるとは限りません。
承認されなければ、 それまで投じた研究開発費を回収できない可能性があります。
そのため、 医薬品業界の企業には、 長期間の研究開発リスクに耐えられるだけの資金力が求められます。
特に大手製薬会社は、 複数の新薬開発を同時並行で進めることで、 リスクを分散しています。
製薬株はなぜ急騰・急落しやすいのか?
製薬会社の株価は、 新薬開発のニュースによって大きく動くことがあります。
例えば、 治験成功や新薬承認のニュースが出れば、 将来の利益期待から株価が急騰する場合があります。
一方で、 治験失敗や承認見送りのニュースが出れば、 株価が急落することもあります。
そのため、 製薬株は、 他業界と比べて値動きが大きくなるケースも少なくありません。
特許切れ(パテントクリフ)も重要
医薬品業界では、 「特許」も非常に重要です。
新薬は、 特許によって一定期間保護されます。
しかし、 特許が切れると、 後発医薬品(ジェネリック医薬品)が参入しやすくなります。
その結果、 売上や利益が大きく減少する場合があります。
このような現象は、 「パテントクリフ(特許の崖)」 と呼ばれることもあります。
医薬品業界はディフェンシブ業界ともいわれる
医薬品業界は、 景気の影響を比較的受けにくい業界ともいわれています。
人は景気が悪くなっても、 病気になれば薬が必要になるためです。
そのため、 医薬品株は、 ディフェンシブ株として扱われる場合もあります。
投資家にとって医薬品業界は重要な研究対象
このように、 医薬品業界は、
- 巨額の研究開発費
- 治験リスク
- 承認リスク
- 特許切れリスク
- ディフェンシブ性
といった特徴を持っています。
医薬品業界を理解することは、 製薬株へ投資する際だけでなく、 株式市場全体を理解するうえでも重要です。